文化が栄えた北陸の大都市、石川県金沢市

石川県金沢市は石川県の県庁所在地であり、石川県のほぼ中央に位置しています。

江戸時代には加賀藩の城下町として栄え、人口も江戸・大阪・京都に次いで多く、名古屋とも並ぶ大都市でした。

第二次世界対戦中にアメリカ軍からの空襲をうけなかったため、市街地には歴史的な風情ある街並みが多く残されています。

長い間都市文化が栄えた金沢市では非常に多くの伝統工芸が生まれました。

金沢箔や加賀友禅、九谷焼は世界中から人気がある工芸品です。

また、日本庭園のひとつである兼六園もあり、多くの観光客が訪れています。

2009年にはクラフト&フォークアート部門でアジア初となるユネスコの創造都市にも認定されました。

そのほかにも金沢市には国の出先機関や大企業の「北陸支社」「北陸支店」が置かれ、政治や金融において北陸地方の中心的な都市として機能しています。

歴史や伝統が色濃く残る金沢市では着物は非常に人気があり、専門の買取業者も多くみられます。

特に金沢の伝統工芸である加賀友禅は高値で取引されています。

家族から受け継いだ着物や、着なくなった着物がある場合には買取に出すのがいいでしょう。

豊富な知識と経験をもつ査定士がいる業者であれば、着物の価値を正しく判断でき、高値での買取が可能です。

独自のスタイルが魅力、野口功造

かつて友禅のほとんどは京都でつくられていましたが、東京でも京都に負けない技術や独創的な意匠を用い「江戸友禅」が完成されました。

江戸友禅の中でも名家として知られているのが「大彦」です。

大彦は1875年、日本橋橘町の呉服問屋の養子となった「野口彦兵衛」によって創業されています。

彦兵衛は、当時の学者や文化人や作家などから知己を得、情報や知識を吸収することで、独自の発想を持つ着物づくりを行ってきました。

高価な江戸友禅だけでなくハンカチやマフラーなどの製作も手掛けてヨーロッパへと輸出していたことで明治政府の高官の目にとまり、大正天皇に献上される電話機の装飾を委託された経験もあります。

そんな大彦の三代目となる「野口功造」は昭和に君臨した着物の巨匠とも言われる人物です。

大彦で守られて生きた江戸刺繍の技術を活かしながら、独自のスタイルを持った大羊居を創設しました。

野口功造は何であっても着物の柄になるという自由な発想から着物づくり取り組んでいます。

江戸の洒落気や、遊び心あふれる彼のスタイルは非常に人気があります。

石川県金沢市でも野口功造の着物のファンが多く、取引が盛んに行われています。

そのため買取に出すことで高値での取引が期待できるでしょう。

着物で風情たっぷりのお茶屋の雰囲気を楽しもう「ひがし茶屋街」

独創的でありながら、江戸友禅の美しさが楽しめる野口功造の着物は、金沢の街にも似合います。

特に情緒の残る街並みが楽しめる「ひがし茶屋街」を散策するのにはぴったりでしょう。

ひがし茶屋街は石川県金沢市にある浅野川の東岸に位置します。

金沢市内には現在でも3つの茶屋街が残されていますが、3つの中で最も規模が大きいのが特徴です。

キムスコと呼ばれる美しい格子がある街並みは、暗くなると軒灯がともり、その魅力をさらに引き立てます。

夜にはどこからか三味線や太鼓の音も聞こえてくる街並みは、着物で散策すると、時間が江戸時代まで巻き戻されてしまうような感覚を味わえるでしょう。

そんな美しい街並みが残るひがし茶屋街は国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されていることから、金沢市でも「街並みの文化財」として保存されています。

ひがし茶屋街ではお茶屋の内部も見学でき、金沢らしい色使いの壁や豪華な内装が楽しめます。

さらに、金沢で人気の和菓子屋や、加賀料理を提供するレストランもあります。

金沢に新幹線が開通した記念に作られた、金沢の新名物である金箔ソフトクリームも味わえますので、食べ歩きにも最適なエリアであると言えるでしょう。

着物でしっとり「兼六園」もおすすめ

石川県金沢市の着物でのお出かけにおすすめなスポットには「兼六園」もあげられるでしょう。

兼六園は、岡山の後楽園、水戸の偕楽園とともに日本三大名園のひとつとして知られています。

江戸時代の代表的な林泉廻遊式庭園であり、園内には見どころがたくさんあります。

兼六園のシンボルともいえる「ことじ灯籠」は、片方だけは池の中に入った二本足の灯篭です。

前方に見える虹橋を琴に見立て、灯籠が琴の絃を支える駒にも見えることからことじと名付けられています。

ことじ灯籠は写真スポットでもありますので、着物を着ての写真撮影にはぴったりの場所であると言えるでしょう。

また11月からは「唐崎の松」の雪吊りも見られます。

13代藩主斉泰が琵琶湖畔の唐崎から種子を取り寄せて育てた黒松が雪吊りされる姿は兼六園の冬の風物詩です。

さらに四季折々の自然が楽しめる兼六園は、日本の桜の名所百選にも選ばれています。

その他にも兼六園には加賀の郷土料理である「治部煮」が楽しめるお店や、加賀地方伝統の和菓子が食べられる茶店もあります。

さらに伝統工芸品などを扱っている商店もありお土産を見て歩くも楽しいでしょう。

兼六園は金沢が満喫できるポイントが凝縮しています。